恵庭岳公園線(1)-滝をめぐる道の昔と今

はじめに

恵庭市西部の一般国道453号と市中心部を結ぶ恵庭岳公園線は、1970年代半ばから1990年代末にかけ、整備されました。沿線の見どころは何といっても、白扇の滝(はくせんのたき)・ラルマナイの滝・三段の滝とえにわ湖(漁川ダム=いざりがわダム)でしょう。

3つの滝とえにわ湖を初めて訪れたのは、1991年の大型連休中です。

本稿では漁川沿いに恵庭渓谷をさかのぼる道を「旧ルート」、白扇の滝を通るルートの改良前の道を「旧道」で統一します。

隠れた名所から観光スポットへ

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2万5千分1の地形図「島松山」(平成2年修正測量)。約1.4倍に拡大。
図1。三段の滝・ラルマナイの滝・白扇の滝へ通ずる道は、細い砂利道であった。2万5千分1地形図「島松山」(1990年修正測量)を約1.4倍に拡大。
2万5千分1の地形図「島松山」(平成9年部分修正測量)。約1.4倍に拡大。
図2。恵庭岳公園線新ルートの開通で観光地化した。旧道は断片が残る。2万5千分1地形図「島松山」(1997部分修正測量)を約1.4倍に拡大。
写真1。三段の滝橋の下を通る旧道、2009年。
写真1。三段の滝橋の下を通る旧道。2009年10月1日撮影。撮影地 恵庭市盤尻

漁川上流に沿う旧ルートは、5m から 6m しかない幅員の未舗装区間が国道交点から 10km あまり続き、落石や崖崩れが多く、冬期のほか災害時通行止めになる悪路でした。旧ルートに架かる橋を、表2にまとめてあります。

抜本的解消策として、漁川支流・ラルマナイ川沿いのラルマナイ林道を改良した新ルート建設が1988年より事業化されました。旧ルートよりも 6.5km ほど短く、地形的にも有利です。総事業費約58億円を投入し、1997年10月7日10時より供用を開始しました。

新ルートは旧道より高い位置を通っており、特にラルマナイの滝から三段の滝の間を3本の橋で短縮したのが目を引きます(表1)。

表1 恵庭岳公園線新ルートに架かる橋
橋名ふりがな橋長完成
清水橋せいすいばし64m1993年11月
ラルマナイ郷橋らるまないきょうはし87m1996年1月
三段の滝橋さんだんのたきはし114m1997年2月

開通当初、恵庭市中心部へは通り抜けできませんでした。1996年6月より、旧ルートの国道交点・新ルートの清水橋から漁川ダム入口までは、不安定な岩盤約 64,000 トンを取り除く工事のため通行止めだったのです。全線開通は1999年4月26日11時です。旧ルートは現在もなお、通行不能となっています。

橋名橋長完成年特記事項等
滝の上橋35m1956木橋。幅4m。国道交点から 650m。基礎の洗堀あり(土砂がえぐられ、洗い流されること)。
湧水橋14m1966木橋。幅4m。交点から約 3,700m。
本流4号橋6m1955木橋。幅4m。交点から約 5,800m。
本流3号橋46.7m1964鋼橋。幅4m。交点から 6,200m。テトラポットあり。
本流2号橋48m1964鋼橋。幅4m。交点から約 11,200m。基礎の洗堀あり。
本流1号橋53.2m1963鋼橋。幅4m。交点から 12,600m 。

昔と今

新旧ルート交点

写真2。新旧ルート交点、1991年。
写真2。札幌土木現業所(当時)のゲートが建設中であることを示しており、クルマの乗り入れはできなかった。1991年5月3日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真3。新旧ルート交点、2009年。
写真3。歩道も整備され、快適にアクセスできる新ルート。旧ルートは通行不可。2009年10月1日撮影。撮影地 恵庭市盤尻

三段の滝・ラルマナイの滝

写真4。三段の滝、1991年。
写真4。正面に近いアングルから写した三段の滝。1991年5月3日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真5。三段の滝、2009年。
写真5。三段の滝橋の下にある撮影スポットより、2009年10月1日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真6。ラルマナイの滝遠望、1991年。
写真6。ラルマナイ郷橋の東側斜面を伝う旧道から撮影した。現在は通行できない。1991年5月3日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真7。ラルマナイの滝、1991年。
写真7。旧道の橋上から、ラルマナイの滝上部を撮影した。1991年5月3日撮影。撮影地 恵庭市盤尻

旧道は車両通行止めです。三段の滝駐車場からラルマナイ川沿いに左へカーブしながら下り、三段の滝橋の下をくぐり、右へカーブした地点に由来を書いた案内板が立っています。川を渡る旧橋は撤去されました。

写真8。三段の滝橋を下から撮影、2009年。
写真8。三段の滝橋の下に、撮影スポットがある。前方に見える柵との間に、旧道の橋が架かっていた。2009年10月1日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真9。白扇の滝へ向かう旧道、1991年。
写真9。前方は白扇の滝方向。速度制限は20km/h。島松滝の沢林道分岐手前の右カーブ、1991年5月3日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真10。旧道を利用した遊歩道は通り抜けできない。2009年。
写真10。駐車場から橋を渡ったところで旧道は通行止め。新ルート開通当初は通り抜けられたようだ。2009年10月1日撮影。撮影地 恵庭市盤尻

ラルマナイの滝を眺めるポイントは2か所あります。

一つは旧道の橋から上部を見る。もう一つは、ラルマナイ郷橋下の滝見広場から下部を見る。旧道は遊歩道として活用されたものの、斜面に沿って右へ回りながら下り、ラルマナイ郷橋の下をくぐる区間が通行止めで、滝見広場へ行くことができません。ラルマナイ郷橋の恵庭側に設けられた階段を下り、橋を渡ってアクセスします。

島松滝の沢林道入口

写真11。島松滝の沢林道入口、1991年。
写真11。「滝の沢林道」入口、1991年5月3日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真12。島松滝の沢林道入口、2009年。
写真12。「島松滝の沢林道」入り口、2009年10月1日撮影。撮影地 恵庭市盤尻

ラルマナイの滝近くで、島松滝の沢林道が分岐します。

2009年の路線名は「島松」を冠していますが、延長は同じなので同一路線でしょう。

木製標識は一帯の林道に共通しており、昔の標識と比べ非常に立派になった観を受けました。

白扇の滝とその周辺

写真13。白扇の滝、1991年。
写真13。1991年5月3日に撮影した白扇の滝。水量豊かに流れ落ちる。訪れる人もいない。撮影地 恵庭市盤尻
写真14。旧道と現道が交錯する。2009年。
写真14。左カーブの先に白扇の滝駐車場がある。左手が旧道。2009年10月1日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真15。白扇の滝付近の旧道、1991年。
写真15。駐車場と滝見広場を結ぶ階段下の小道が、改良前の旧道にあたる。恵庭方向を望む。1991年5月3日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真16。白扇の滝駐車場より恵庭方向、2009年。
写真16。右手に駐車場が広がる。新ルートは高い位置に造られ、著しい変貌を遂げた。2009年10月1日撮影。撮影地 恵庭市盤尻
写真17。売店とトイレと旧林道、2009年。
写真17。ラルマナイ林道の旧道が残っている。左は売店、右はトイレ。2009年10月1日撮影。撮影地 恵庭市盤尻

新ルートは旧道よりも高い位置に路盤を造成しました。駐車場と滝見広場の間にある道が、ラルマナイ林道旧道にあたります。旧道も道道の区域に含まれます。写真16の右カーブから先、ラルマナイの滝駐車場までの旧道が、比較的良好な状態で残っています。

道道恵庭岳公園線のデータ
認定日1982(昭和57)年9月30日
起点恵庭市盤尻国有林石狩空知森林計画区石狩森林管理署5130林班地先(一般国道453号交点)
終点恵庭市本町14番地先(道道江別恵庭線交点)
備考起点から土精橋までの 9.7km 区間は、落石・雪崩・土砂崩落・24時間あたりの雨量により交通規制がある。

関係する告示(道道恵庭岳公園線)

1990年3月8日北海道告示第284号(道路の区域の変更)
区間変更前後の別敷地の幅員延長国道等との重複区間
恵庭市盤尻国有林恵庭事業区92林班地先(道道札幌支笏湖線)から
恵庭市盤尻国有林恵庭事業区68林班地先まで
前16.80m から 37.00m まで13,500.00m道道札幌支笏湖線重複 L = 31.00m
同上後16.80m から 37.00m まで13,500.00m道道札幌支笏湖線重複 L = 31.00m
恵庭市盤尻国有林恵庭事業区30林班地先(道道札幌支笏湖線)から
恵庭市盤尻国有林恵庭事業区68林班地先まで
後210.10m から 54.00m まで6,924.00m道道札幌支笏湖線重複 L = 15.00m
告示注
新ルートを道道へ編入した。1991年に撮影した時点で、測量は完了していたようである。一般国道453号は昇格前。後の告示とは新旧ルート交点の林班が異なるが、同地点と見て差し支えない。
2004年3月30日北海道告示第10213号(道路の区域の変更)
区間変更前後の別敷地の幅員延長国道等との重複区間
恵庭市盤尻国有林石狩空知森林計画区石狩森林管理署5192林班地先(一般国道453号交点)から
恵庭市盤尻国有林石狩空知森林計画区石狩森林管理署5169林班地先まで
前16.80m から 37.00m まで13,500.00m一般国道453号重複 L = 31.00m
恵庭市盤尻国有林石狩空知森林計画区石狩森林管理署5130林班地先(一般国道453号交点)から
恵庭市盤尻国有林石狩空知森林計画区石狩森林管理署5169林班地先まで
前218.00m から 222.00m まで6,887.19m一般国道453号重複 L = 16.00m
同上前36.00m から 222.00m まで7,003.45m一般国道453号重複 L = 16.00m
同上後218.00m から 222.00m まで6,887.19m一般国道453号重複 L = 16.00m
同上後36.00m から 222.00m まで7,003.45m一般国道453号重複 L = 16.00m
告示注
  • 前2・後2は清水橋・ラルマナイ郷橋・三段の滝橋を含み、前3・後3はラルマナイの滝駐車場から三段の滝へかけて、旧道を活かした遊歩道を含む。
  • 旧ルートのうち、漁川ダム寄りの舗装区間 2,212m は恵庭市へ移管して市道恵庭渓谷線となり、残る区間は林道へ移管された。