苫小牧港・幻のトンネル架橋構想

トンネル・架橋構想

図1について
  • ズームアウトは初期画面より2段階まで。
  • 紫と赤の線は、地図とラベルで表示されます。
  • トンネルルートと架橋ルート(ともに赤い線)は、同時に表示できません。
  • トンネルルートと架橋ルートは不明な点もあり、正確性・精密性は一切保証いたしません。ご了承願います。

図1・苫小牧港周辺の地図。紫色の線は、道道苫小牧環状線の旧ルート。マーカーをクリックすると、該当地点の情報を表示します。 トンネルルートを表示架橋ルートを表示初期画面へ

トンネル構想

苫小牧港の建設で、勇払へ向かう海岸沿いの道は分断されました。西埠頭から石油配分基地までは、図1▲の紫の線経由で大きく遠回りしなければなりません。

海底トンネルやポートブリッジでつなげる案が、過去に浮上しました。

トンネル構想が具体化したのは、1973年ころです。以下の効果が見込めると考えられました。

  • 苫小牧市中心部と、臨海工業地帯の所要時間短縮。
  • 一般国道36号・上厚真苫小牧線の交通量緩和。
  • 上下水道管・ガス管・電話回線・電線も一緒に通せる。
  • 観光ルートにも活用できうる。

陸上でトンネルを造って海底に沈め接合する、沈埋工法での建設と1日数千台の交通量を想定し、有料道路で費用を償還する可能性も検討されました。

当初、建設費は約60億円とみられていました。1973年、改めて民間業者に800万円で調査を委託します。総延長 2.2km。4車線と歩道を設置して、約400億円という見積もりでした。

翌1974年に当時の運輸省に陳情すると、高額を理由に門前払いされました。苫小牧東港の建設費5年分に匹敵する額の上、東港が建設されれば海岸沿いの国道が分断されるため、日高方面へのアクセスが悪いから経済効果は薄いと判断されたのです。トンネル構想は立ち消えになりました。

架橋構想

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代わって1980年代に浮上したのが架橋構想です。1990年度に苫小牧港管理組合が調査をまとめました。 ルートを見る▲※東側の接続部分は不明につき、表示しておりません。

2万5千分1の地形図「勇払」(平成18年更新)。等倍。
図2。ポートブリッジは、南西の埋め立て地を時計回りにカーブしてから港口を横断し、石油配分基地の南岸を通る構想だった。2万5千分1地形図「勇払」(2006年更新)。大きさはほぼ等倍。

橋長810mの斜張橋で、橋脚の高さは60m、アプローチ部分を含めた全長は4,800mで、建設費は約800億円と試算しています。アプローチ部分は漁港の西を南下し、時計回りで海に突き出ながら東へ向きを変え、橋本体に続いて石油配分基地南方の海上を東進しながら、陸上に下るルートです。横浜ベイブリッジをモデルにしたといわれ、観光スポットへの期待がありました。

1992年11月に苫小牧商工会議所が、1993年4月には苫小牧市観光協会が、橋の建設を市に要望します。市議会の議題にも、何度か取り上げられました。

建設費が巨額の上、試算による地元負担が320億円という問題もありました。苫小牧市は国の事業として要望を続けていたものの、財政事情と優先順位を勘案し、2007年度より国への要望を中断しました。事実上、棚上げ状態となっています。

いずれの構想でも、苫小牧環状線の起点に影響を与えたかもしれません。

国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」より。
写真A・1991年6月26日撮影。港で分断された海岸に、トンネルや架橋の構想が浮かんでは消えた。国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」より引用。解像度 400dpi の写真をトリミングし、40%に縮小。元画像の縮尺は2万5千分1。
参考文献
  • 『北海道新聞』(1978年5月13日朝刊・1993年8月21日付夕刊)
  • 『苫小牧民報』(1973年1月27日付・1973年5月26日付・1993年10月22日付)
  • 『北海道における鋼道路橋の歴史(資料編2)』(北海道土木技術会鋼道路橋研究委員会。1987年8月)
  • このほか、苫小牧市議会の議案書・議事録を参照しました。
苫小牧シリーズ
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